大阪・関西万博で展示されている先端技術について、国内外のスタートアップ企業約100社が31日、実用化に向けた技術移転協定を締結した。経済産業省と万博協会が主導するこの取り組みは、万博レガシーの継承とイノベーション創出を目的としている。
協定には、AI診断システム、ドローン配送、次世代エネルギー貯蔵技術など多岐にわたる分野が含まれる。特に注目されているのは、万博会場で実証実験が行われた「空飛ぶクルマ」の商用化プロジェクトだ。SkyDrive社を中心とした国内企業連合は、2027年の大阪市内での定期運航開始を目指している。
また、会場で活用されているAI同時通訳システムについては、複数の自治体や医療機関から導入希望が寄せられており、2026年春からの本格展開が決定している。システム開発を手がけたベンチャー企業の株式会社インターリンガルは「万博での実証実験により、精度が飛躍的に向上した」とコメントしている。
経産省の担当者は「万博は単なるイベントではなく、日本の産業競争力を高める重要な機会。展示技術の社会実装を積極的に支援していく」と述べ、予算措置も含めた支援策を検討していることを明らかにした。